3章

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「じゃあ、仕事が終わったらこの間の店でどうですかぁ」 「プランタンですか」 「はぁい、プランタンですぅ」 「じゃ、お言葉に甘えて18時にプランタンでお願いしても良いですか」 「了解ですぅ」  七瀬はそう言うと目を細め、笑みを零す。  俺は七瀬に言われるがまま相談してみる事にしていた。最もそれで全てが上手く解決するとは思っていなかったが、少しは気分的にましになるのではと思いそうする事にしていた。  この後特別何か起こることなく仕事を終え一臣は一足先にプランタンに向かい何時もの席で七瀬を待っていた。数分後、七瀬がやって来る。 「済みません、お待たせしましたぁ」  ぺこりと頭を下げる七瀬。それに一臣が申し訳なさそうに答える。 「あ、いや僕もついさっき来たばっかりでそんな待ってないですよ。それより、こっちこそなんか済みません。気を使わせてしまって」 「僕が役にたてるかは解りませんがぁ、話せば楽になる思いってあるじゃないですかぁ」  七瀬はそう言いうと優し気な笑みを浮べる。 「そのお気遣いがありがたいんですよ。自分一人で背負うのもきつい感があったのは確かですしね」  一臣はそう言うと照れくさそうに頭をかく。 「それで、一臣さんが背負ってる思いって何ですかぁ」
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