3章

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 七瀬が右に首を傾げ訊ねる。 「実はより戻したは良いんですが、上手くやり直し出来るか不安で」 「それはどういう事ですかぁ。あっ、もしかしてあの事関係してますぅ」 「えっ、あの事って何ですか」 「ええとぉ、そのぉ、麗奈さんがされた話ですよね」  七瀬が言いづらそうに上目勝ちになり話す。それを見て一臣は七瀬がある程度の話を知っていると気付き確認するように話を続ける。 「七瀬さん。ある程度の話は知ってるんですね」 「はい、実は将隆さんにある程度の話は聞きましたぁ」 「そう言えば七瀬さんと将隆さんは付き合っているんでしたね」 「やっぱり簡単には割り切れないですよねぇ。内容が内容なだけにぃ」 「――そうなんですよね。解ってはいるんです。麗奈は悪くない。でも……」  一臣は暫し沈黙の後答える。 「でもぉ、――納得できない。難しいですねぇ」 「はい、そうなんですよ」 「近衛さん、本当は無理してより戻したんですねぇ」 「――無理してたのかも知れませんね」   俺は七瀬の言葉にハッとしていた。そうだ。俺は無理をしていたんだ。認めようとしなかっただけで間違いなく俺は無理をしていた。麗奈とはやり直したいがそれと同じように麗奈を受け入れられない自分がいた。
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