3章

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 同じ頃、喫茶店メネシスでは将隆と麗奈が会っていた。 「一臣さんとより戻したんだ。良かったね」 「うん。ありがとう。将にいのお陰だね」 「その割に元気ないけど大丈夫」  心配そうに話しかける将隆。 「うん。大丈夫。ただ、駄目になるんだろうなって思ったら切なくて」  麗奈はそう言うと視線をはるか先に置く。 「えっ、どういう事」  理解できずに訊ねる将隆。 「女の勘、――かな」 「ますます解からないんだけど」 「多分ね、一臣とは遠くないうちに駄目になると思うんだ。一臣は無意識かも知れないけど無理してるから、それに気付いたら駄目になると思う」 「そんな事無いだろう」 「そんなことあるよ」 「そんなもんかな」 「そんなものなの。将にいは解らないけど、一臣は駄目なタイプのほうだと思う」 「僕には良く解らないけど気にしすぎるのも良くないと思うよ。それが原因で駄目になる事もあるし、何より未来は確定していない」 「確かに将にいの言う通りだね」
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