3章

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「うん。僕は矢崎高校の特進科でした」 「そうだったんですか。――でも、まだ思い出せないんですよね」 「無理もないかな。近衛さんには日常だったみたいだしね。2年の時なんだけど3年生の不良10人に囲みくらっている時に卑怯だって加勢してくれて返り討ちにしたっていう」 ――――2年の時に3年生の不良と……。 ――――確かに一回あったな。 「ああ、そういえばそんな事ありましたね。思い出しましたよ。あの時の課長だったんですか」 そうだったんですよ。あの時は本当に助けられました」 「しかし、そんな事覚えてたなんて本当に義理堅いですね」 「義理堅いって訳じゃないですよ。ただ、あの時嬉しかったんですよ。だから、いつか恩を返したいと思ってまして近衛さんの動向は気にしていたというか」 「それで今回動いてくれたんですか」 「はい。勝手ながら動かせて頂きました」 「ありがとうございます。それなのに失礼な事いって済みませんでした」  そう言いながら頭を下げる一臣。 「いえいえ、こちらの方こそ誤解される様な事をして申し訳無かったです」 「そんな事無いですよ」 「まあ、何はともあれ良い方向で固まった様で良かったです」 「田口の件も上手く処理してくれて本当に感謝です」
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