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「僕に出来る事なんてこんな事くらいですからね」
そう言うと屈託のない笑みを零す将隆。
――――この人本当に良い人だな。
――――これ程の立場を持ちながら偉ぶる訳でもなく……。
一臣は将隆の人柄に心底感心していた。
「こんな事なんてものじゃないですよ。本当にありがとうございます」
「何はともあれ近衛さんのお役にたてて本当に良かったですよ」
一臣と将隆はこの後なつかしい話に盛り上がり会話をした後昼休みに戻り、それが終わると午後の仕事に取り掛かっていた。すると、七瀬が話し掛ける。
「近衛さん、すっきりした顔されてますねぇ」
七瀬はそう言うと口角をあげ笑みを零す。
「完全にって訳には行きませんが、ある程度は割り切れましてね」
「そうなんですかぁ。それは良かったですねぇ」
「まあ、気にしててもしょうがないですから」
「相談された時は元気無かったんで心配してたんですが大丈夫みたいですねぇ」
――――七瀬さん気にかけてくれてたんだ。
――――将隆さんといい、七瀬さんといい、本当に良い人たちだな。
一臣はそんな事を考えながら言葉を返す。
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