4章

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「ふーん、その七瀬さんとは何用で合われてたんですか」  火に油だったのか更に不機嫌になる麗奈。 「何用って、それは麗奈とよりを戻す相談にのって貰っていたんだよ」  一臣は多少嘘をつきつつ概ね真実だったので堂々とそう答える。 ――――えっ、一臣もより戻そうとしてくれてたんだ。 ――――それなの誤解しちゃって。 「そうだったの。誤解してごめん」  機嫌が直り手を合わせ謝る麗奈。 「解ってくれればいいよ」  一臣はそう言いつつ、内心では「ふう」と一息ついていた。 「本当にごめんね」  麗奈の機嫌は完全に直り笑みを浮べる。 「気にしなくていいよ。それより珈琲来たから珈琲楽しもう」 「本当だ。優子さん来たね」 「お待たせ致しました。キリマンジャロお2つになります。ごゆっくりどうぞ」  そう言うと優子さんは奥に消えてゆき、辺りには珈琲のいい香りが漂う。 「いい香りだね」 「本当だね」
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