117人が本棚に入れています
本棚に追加
/101ページ
――――こんな娘となら一緒なら楽しいだろうな。
――――いや待てよ。この間一ノ瀬麗奈に婚約破棄され振られたばかりだろ。
一ノ瀬麗奈とは、四十六銀行本店にいた時、一臣が付き合っていた女性で28歳。身長が160センチで黒髪のスーパーロングでゆるふわロングの髪型をしており、顔は綺麗な卵型で小さく色白で、目は二重瞼のアーモンドアイ型で瞳は黒色をしていた。
麗奈の事を思い出して暗い顔になる一臣。思わず手が止まり考え込んでしまう。
それに気付いた七瀬が、首を右に傾げ息がかかる程近付き、下から覗き込むように話し掛ける。
「近衛さん。どうしたんですかぁ」
それに気付いた一臣は驚き「わっ」と声を出し仰け反り椅子から転げ落ちる。五月蝿いとばかりに田宮から「んんー」と咳払いされ、一臣は慌てて席に着く。七瀬はというと、それを見てケタケタと目を細め、息を殺して笑っていた。
――――なんなんだ、この娘。
――――パーソナルエリアが狂ってるぞ。
「そんなに驚かないでくださいよぉ」
一臣がそんな事を考えていると、笑みを浮かべ一臣を見詰める七瀬。
――――おかしい。
――――絶対この娘はおかしい。まごう事無き天然。
最初のコメントを投稿しよう!