4章

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――――隠し切れないし、――話すか。 「実は土曜日に麗奈と逢ったんですけど、半日しか間が持たなくて……」  一臣がばつが悪そうに話す。 「そうだったんですかぁ。でしたら話し長くなりそうですしぃ、またあそこでおはなししません」 「あそこって、プランタンですか」 「はいぃ。プランタンで18時に待ち合わせでどうですかぁ」 「なんか済みません。お願いします」  軽く頭を下げる一臣。 「いえいえ、困った時はお互い様ですよぉ」  麗奈はそう言うと優しく微笑む。こうして二人は18時に会う約束をすると仕事に戻って行った。仕事は特に問題無く進み定時で仕事を終えると、一臣は一足先にプランタンに向かい七瀬を待っていた。程無くして七瀬がやって来る。 「済みません。お待たせしましたぁ」  そう言いながら席に着く七瀬。 「いえいえ、こちらこそ済みません」  それに一臣がそう答え一礼する。 「それで間が持たないって事でしたが、どういうことですかぁ」 「それなんですが、麗奈と逢ったは良いが半日しか間が持たなくて」 「そうだったんですかぁ。半日しか間が持たなかったんですね」
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