4章

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 2人はこの後和やかに談笑を交わした後プランタンを後にしていた。一方、将隆と麗奈も喫茶店メネシスで会い会話を交わしていた。 「土曜日に近衛さんと逢っていたんだって」 将隆が訊ねる。 「うん。土曜日に逢ってたよ」  そう言いながら表情を曇らす麗奈。 「表情暗いけどなんかあったの」  麗奈の表情が暗いのに気付いた将隆が心配そうな表情をして訊ねる。 「特に何かあったって訳じゃないんだけど、一臣といると何か心苦しくて……」 ――――本当に一臣と一緒にいたい。 ――――けど、一緒にいると心が苦しくなる。  そう言いながら伏し目がちに視線を遙かに置く。 「やっぱり、そうなっちゃうか。そればっかりは麗奈が何とかするしかないもんな」  将隆は少し考え込んでから言葉を返した。 「そうなの。それで一臣に嫌な思いさせてないか不安で……」  そう言いながら右手の人差し指でテーブルをなぞる麗奈。 「近衛さんなら大丈夫だと思うよ」  将隆は麗奈を見据え優しく話す。 「そうかな」
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