120人が本棚に入れています
本棚に追加
/101ページ
不安げに答える麗奈。
「別に近衛さんからそれらしい態度とられたとかないでしょ」
「無いよ。一臣は切なくなるほど優しい」
麗奈はそう言うと優しい笑みを浮べるが、それは何処か愁いを帯びていた。
「それなら気にしちゃ駄目だよ。頑張らなきゃ」
――――土曜日の一臣の態度考えたら……。
――――きっと一臣は気付いてる。
「それは解ってるんだけど……」
麗奈はそう言うとまた表情を曇らせた。
――――より戻しても麗奈は苦しまなきゃならないのか。
――――僕は何も力になれないのか。
「それでも頑張らなきゃ」
将隆が愁いを帯びた表情で諭す。
「うん。そうだね」
力なく答える麗奈。
――――そこまでして、一臣さんといるのが幸せなのか。
最初のコメントを投稿しよう!