5章

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「なんでも無いなら良いんだけど、何か言いたいことでもあるのかなって」 「無いよ。ただ、一臣の運転に見惚れてただけだよ」 「そう言われるとてれんだけど」  満更でもない様子の一臣。 「一臣でも照れることあるんだね」 「そりゃあるでしょ」 「それもそうか」  麗奈はそう言うと目を細めて笑みを零す。それを一臣が横目で確認しやさしげやな表情を見せる。 「ところで最近銀行の方はどうなの」 「銀行は相変わらず忙しいよ」 「だよな」 「一臣の方はどうなの」 「ようやく慣れてきたよ。最初は勝手が違いすぎて戸惑ったけどさ」 「一臣は凄いね」 「別に凄くないだろ。普通だよ」 「んーんっ、一臣は凄いよ」 「そうかな、まっ、麗奈がそう言うならそういうことにするか」 「うん、そういうことにして」
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