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「なんでも無いなら良いんだけど、何か言いたいことでもあるのかなって」
「無いよ。ただ、一臣の運転に見惚れてただけだよ」
「そう言われるとてれんだけど」
満更でもない様子の一臣。
「一臣でも照れることあるんだね」
「そりゃあるでしょ」
「それもそうか」
麗奈はそう言うと目を細めて笑みを零す。それを一臣が横目で確認しやさしげやな表情を見せる。
「ところで最近銀行の方はどうなの」
「銀行は相変わらず忙しいよ」
「だよな」
「一臣の方はどうなの」
「ようやく慣れてきたよ。最初は勝手が違いすぎて戸惑ったけどさ」
「一臣は凄いね」
「別に凄くないだろ。普通だよ」
「んーんっ、一臣は凄いよ」
「そうかな、まっ、麗奈がそう言うならそういうことにするか」
「うん、そういうことにして」
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