5章

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 しみじみとそういう麗奈。 「本当だな」  一臣もそれにしみじみと返す。 「私ね。もう、こういう風に出来ないって思ってた」 「俺もそう思ってたよ」 ――――そう、もう逢う事は出来ないと思ってたよな。 ――――それが、触れようと思えば触れれるのに俺は……。 「幸せだね」  麗奈はそう言うと一臣の肩に頭を預ける。 「んっ、どうした」 「今はこうしたいの」  そう言うと麗奈は一臣の手を握る。 ――――麗奈が愛おしい。 ――――俺も変わらなくちゃ……。  一臣はその手を握り返すと麗奈の唇を唇でふさいだ。 「えっ、どうして」  頬を紅潮させ照れた様子の麗奈。
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