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「俺もこうしたいと思ったから」
そう言うと一臣は麗奈を見詰めた。それに応えるように今度は麗奈が一臣の唇をふさぐ。2人を祝福してるかのように風が吹き麗奈の長い髪が舞い遠くで鳥が囀る。麗奈が唇を離すと2人は見詰めあい抱きしめあい互いの温もりを感じていた。
「麗奈の鼓動が伝わって来てる。凄く鼓動が速いよ」
「もう、そんな事言わないで。恥ずかしい」
麗奈はそう言いながら更に頬を紅潮させていた。
「麗奈の身体温かいね」
「一臣の身体も温かいよ」
そう言いながら強く抱きしめあう二人。そうしていると遠くからカップルの話す声が聞こえ、2人は急いで元に姿勢を戻すと何も無かったかの様に湖を眺める。その2人の後ろをカップルが笑いながら話し通り過ぎる。その声が聞こえなくなった所で2人は顔を見合わせ笑みを零した。
「びっくりしたね。抱き合ってたの見られたかな」
「多分、大丈夫だろ。他人の事なんて大して気にしてないだろうしさ」
「言われて見たらそうかも」
「だろっ」
2人は再び見合い笑みを零す。
「そろそろお腹すいてきたな。売店のカフェで何か食べない」
「そうだね。私もお腹すいてきたから何か食べたい」
「じゃあ、決まりだね」
「うん。売店に行きたい」
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