5章

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 一臣の言葉にこくっと頷くと麗奈はリモコンを持ちブルーレイを再生する。テレビには予告映画が流れる。 「何の映画見るの」 「昔の映画だけどゴースト ワシントンの奇跡っていうタイトルなんだけど知ってる」 「ああ、名前だけは聞いた事あるよ」 そうこうしているうちにタイトルが現れ本編が始まる。と、同時に2人は話すことを止め映画を見始める。その間一臣は映画を見た後の事を考えていた。 ――――この後どうしよう。 ――――そういう雰囲気になった時に俺は……。  俺は麗奈を愛している。だが、時折見たくも無いのだが田口の顔がちらつきどうしても麗奈を拒絶してしまう俺がいた。この後、それが出なければいいのだが、もし、出てしまえば確実に麗奈を傷つけてしまう。それだけは避けたいと思い映画どころではなかった。  麗奈もまた映画を見ながらその後の事を考えていた。 ――――この後は頑張らなきゃ。 ――――私が頑張って一臣を繋ぎとめるならどんなことだって……。  私のせいで沢山傷付いたのに隣にいてくれる一臣を愛してる。その一臣を繋ぎとめられるなら怖い事なんてない。――嘘、やっぱり怖い。怖いけど乗り切らなきゃ。そうしないと一臣を失っちゃう。だから私は頑張らなきゃならない。そう覚悟を決めていた。  そうこうしていると映画はクライマックスを迎え終盤を迎える。 「面白かったね」
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