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そのまま抱き合い一臣が麗奈のブラウスのボタンに手を掛けた時だった。麗奈の身体が一瞬振るえる。
――――やっぱり駄目。
――――これ以上されたら……。
麗奈はこわばり握る手に力が入る。その時一臣もまた気付いていた。
――――麗奈に拒絶された。のか。
――――俺もこれ以上は駄目だ。
「麗奈ごめん。悪いけど帰るよ」
一臣はそう言うと帰り支度を始める。
「えっ、どうして。急にどうしたの」
――――もしかして、さっきので一臣に気付かれた。
――――それにしても急すぎない。
「麗奈。本当に悪いんだけど今日は帰らせてくれ」
一臣がばつが悪そうに麗奈から視線をそらし話す。
「一臣どうしたの。私怒らせることしたかな。したなら謝るから許して」
それに麗奈が泣きそうになりながら言葉を返す。
「そういう話じゃないんだ」
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