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6章
月曜日
一臣はまだ気持ちの整理がついては居なかったが会社を休むわけにもいかず、気が乗らないものの会社に出社していた。3課に入るとこの日は珍しく誰も来ておらず一臣が一番乗りで、一臣は誰もいない部屋で辺りを呆然と眺めていた。暫くそうしていると七瀬が現る。
「おはようございますぅ」
「おはようございます」
七瀬の挨拶に挨拶を返す一臣。
「一臣さん、今日は早いですねぇ」
七瀬がにこやかに一臣を覗き込み話す。
「あ、はい。ちょっと速く起きたもので」
愛想笑いを浮かべ言葉を返す一臣。
「そうなんですかぁ。でも、朝早いのはいい事ですよぉ」
「そうですね」
当たり障りない様に言葉を返す一臣。
「んーっ、今日の一臣さん、なんかちょっと暗い様な気が……」
心配そうにのぞき込む七瀬。一臣はそれに一瞬焦ったが平静を装い返す。
「そんな事無いですよ」
――――ここ娘こうしてて鋭い時があるから言った方がいいかな。
――――どうせ課長経由で話は聞こえるだろうし……。
「本当ですか」
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