6章

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 そう言いながら七瀬は怪訝な表情を浮かべる。 ――――やっぱり疑ってるな。 ――――今、言った方がいいかな。  しばし悩んだ後言葉を返す一臣。 「――実はこの間麗奈と別れましてね」  そう言うとばつが悪そうにする一臣。 「えっ、どうしてですかぁ。何かあったんですかぁ」 「あ、いや。別に何かあったからって訳じゃないんだけどさ」 「じゃあ、なんでなんですぅ。なんか、納得いかないんですけどぉ」  何故か少し怒った様子の七瀬が問い詰めるように話す。 「あっ、いや」 「あっ、いや。なんなんですぅ。教えてくださいよぉ」 ――――参ったな。 ――――適当に誤魔化したかったんだけど……。 「それは会社で話すような話じゃないんで」 ――――こういえばあきらめてくれないかな。
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