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一臣はそう自分に言い聞かせると黙々と仕事を始める。その甲斐あってか仕事は無事に終わり、帰り仕度を始めた一臣は七瀬に耳打ちをした。
「それじゃ、後で」
そう告げると3課を後にし、会社を出て車をプランタンに向け走らす。暫く走らせるとプランタンに辿り着き、駐車場に車を止めると中に入り、何時もの席に腰を下ろすと珈琲を注文し七瀬を待つ。程無くして七瀬がやって来て席につき声を掛ける。
「すいません。お待たせしましたぁ」
そう言いながら手を合わせる七瀬。
「いや、待つというほどは待ってないんで気にしなくていいですよ」
一臣はそう言うと笑みを零す。
「それで、早速お話ですが、どうして別れたんですか。お似合いだったのに」
「まあ、そう言ってもらえると嬉しいのですが成り行きというか……」
一臣はそう言うとバツが悪そうに言葉を濁らす。
「一臣さん、それじゃ解らないですよぉ。解るように説明して下さいよぉ」
食い入るように説明を求める七瀬。
「話さなきゃ駄目ですか」
「駄目です」
引く様子の無い七瀬。
――――こりゃ、梃子でも動かないな。仕方ない。話するか。
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