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――――何とか、おちつかなきゃ。――大丈夫っ、――うんっ。
七瀬はそんな事を思いながらそう言いうと、笑みを浮かべながらぺろっと舌をだした。一臣にはそれが一時前自分の唇に触れたものかと思うと艶めかしく思えた。自然と潤いのある唇に視線が行く。
――――なに、なんなんこの娘。
――――ぶつかったレベルじゃないんだよ。
「き、き、気を付けて下さいよ」
動揺ししどろもどろに顔を真っ赤にして言葉を返す一臣。
僕は焦り動揺しながら顔を真っ赤にする近衛さんが、ちょっとだけ愛おしく思え、だからちょっとだけだけど無性にからかいたいと思ってしまっていた。
「あれ、近衛さぁん。どうしたんですかぁ。お顔真っ赤ですよぉ。お熱でもあるんですかぁ」
「か、か、揶揄わないでくださいよ」
俺は完全に七瀬さんの事を意識してしまっていた。動揺を隠そうとすればするほど言葉がしどろもどろになってしまい恥ずかしかったように思う。
いたずら心に火が付いた僕は更に恥ずかしい言葉を口にしていた。いくら何でもやり過ぎだったと今は反省してるけど、その衝動には抗え無かった様に思う。
「近衛さぁん、もう一回して見ますぅ」
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