6章

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 将にいがこんなに私の事思ってくれてたんだ。本当に嬉しい。こんなに愛されてたのに気付かなかった私はバカだね。汚れちゃったし遠回りしたけど素直になっていいよね。私も将にいの事が好き。 「時間なんかいらないよ。こんな汚れた身体になってしまったけど将にいが良いなら付き合ってほしいです。馬鹿な私だけど隣に置いてください」 「いいのか。俺で」 「むしろ私で良いんですか」 「ああ、麗奈以外考えられない」  ああ、なんて幸せなんでしょうか。こんな私を受け入れてくれるなんて。こんな私に出来る事。それは将にいの気持ちに寄り添う事。 「将にい。ありがとう。よろしくお願いします」 「ああ、こちらこそよろしくお願いします。これからは共に歩もう」 「嬉しい」 「僕の方こそ」  2人は互いの気持ちを確かめ合うと夜の街に消えていった。 翌日。3課には朝早くから仕事をしている七瀬の姿があった。  将隆とは別れたし僕から一臣さんに言わなきゃ。一臣さんは不器用だからきっと受け入れてはくれないと思う。でも、隣にいて寄り添いたいの。一臣さんを癒してあげたい。と、いうか。今気付いたんだけどどうしてこんなに一臣さんの事が気になるんだろう。――そうか。僕、一臣さんの事が好きなんだね。惹かれてたの気が付かないふりしてたんだ。だったら、尚の事だね。
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