6章

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「七瀬さんに振られたんですよね。――それで麗奈と付き合う事になったと」  混乱した頭を整理しようと確認しながら話す一臣。 「そういう事に成ります」 「そうなんですか。七瀬さんの件は何とも言えませんが麗奈の件は助かりました。ホッとしたというか」 「というと」  一臣の言葉に首を傾げ訊ねる将隆。 「心配してたんですよ。自棄になってどうでもいい奴と付き合うんじゃないかって。勝手な話ですが将隆さんなら麗奈をしっかり守ってくれると思うんで……。俺がふっておいてあれですが麗奈の事は愛してるんで幸せになって欲しいんです。――本当に勝手ですよね」 「そんな事無いと思いますよ。僕だって一臣さんの立場なら同じ事したと思います。愛しているものに拒絶されたら傷付いてしまいますし……」 「そう言って貰えると助かります。どうか麗奈をお願いします」  そう言うと頭を下げる一臣。 「解りました。必ず幸せにします」  将隆がそれに誠心誠意答える。 「それで話というのはこれで終わりですか」 「あっ、いえっ。もう一つあります」 「何でしょうか」 「僕の勘なんですが七瀬は一臣さんの事好きなんだと思います。僕がこういうのもなんですがもし何処か惹かれる所があるなら付き合ってほしいと思いまして」
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