4、嫌がらせには屈しない

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 王宮へ来た翌朝。  使用人たちがリエルの部屋を訪れた。 「リエルさま、朝食をお持ちいたしました」  テーブルに並んだのは見るからに硬そうなパンと具のないスープ、それに熟しすぎて異様な匂いを放つ果物だ。おそらく腐っている。  リエルはそれを一瞥し、使用人に目を向ける。  愛想もなく人形のような顔つきで立っている。  単純な嫌がらせ。  前回も同じことがあったのでたいして驚くことはないが、どうしても気になることがある。 「エマはどこ?」 「はい?」  リエルの質問に使用人のひとりが眉をひそめた。 「私の連れてきた侍女はどこかと訊いているの」  少し強い口調で再度訊ねると、使用人は渋々答えた。 「あの者は王宮のことを何も知らないので下働きをさせております」 「私はそんな命令をしていないはずだけど?」 「それは、侍女長のご命令でございます」  リエルはため息をつく。  侍女長には回帰前に散々嫌がらせをされてきた。  今回はエマを連れてきたことがさっそく彼女の嫌がらせ対象となったらしい。 「では侍女長をここに呼んでちょうだい」  今回は弱い姿勢を一切見せない。  最初から侍女長と戦うつもりだった。
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