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ノエラはおずおずと膝を折って、遠慮がちにリエルの目線に合わせて困惑の表情をした。
「あなた、あたしに陛下のことを話していたわよね? 声もかけてもらえないほど嫌われているって」
それを聞いたリエルはどきりとした。
たしかに、国王はなぜかリエルに冷たかった。
「それはただ、あなたに悩みを相談しただけで……そんなことで暗殺なんて、考えたりしないわ」
震えながらノエラに訴えるが、彼女は少し警戒しているようだ。
ノエラもリエルが恐ろしい殺人鬼とでも思っているのかもしれない。
リエルは絶望した。
アランがさらにリエルの問題事を口にする。
「お前は侍女たちも冷遇していたようじゃないか。俺の知らないところで好き放題しやがって」
リエルは驚愕し、アランを見上げた。
そこにはただ、冷たい顔があるだけだった。
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