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ノエラは学院時代にもリエルの根も葉もない噂を流しては落ち込む彼女を慰めて、自分は優越感に浸っていた。
王宮となればもっとリエルの苦しむ顔が見られるかと思ったのに、あまりの余裕じみた顔をされてイライラするのだ。
「噂だけじゃ足りないわ。もっと徹底的に痛い目にあわせなきゃ」
そんなことを呟いた瞬間、がさりと音がして人が現れ、ノエラはびくっとした。
誰かに聞かれたと思ったら、その相手が侍女長だったので安堵する。
侍女長はリエルを嫌っている。その点で、ノエラと同じ考えを持っていた。
「いい方法がありますよ」
「侍女長」
にやりと笑う侍女長を見て、ノエラも自然と口角が上がる。
「わたくしにお任せくださればよろしいかと」
「うふふ、話が早くて助かるわ」
侍女長ならリエルに容易に接触することができる。
ノエラは自身の鬱憤を晴らしてもらうため、侍女長と計略を練った。
(見てなさい。余裕ぶっていられるのも今のうちよ)
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