02.はじめまして、さようなら。

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「覗き見ですか? 良いご趣味ですね」 「覗き見の趣味はないんだけど……。ねぇ、君の名前を聞いてもいいかい?」 「どうして此処にいるのか教えてくれたら、考えてもいいですよ」 「そうきたか。うーん、あの色狂いに手を引かれている所を発見したから、かな?」  レオンはもう色狂いの称号を貰っているのか。  つまり、色々な令嬢としっぽりヤッてくれてるわけで……。  あんの節操なし。  王族とはいえ、婚約者がいる身でヤりまくるのはどうかと思う。 「つまり、私がアレに襲われるかもしれないと危惧して覗き見をしていた……と」 「覗き見は不可抗力ね。仮にも自国の王子をアレ扱いとは、聞かれたら不敬罪だよ? というか、名前を教えてはくれないの?」  優しく微笑まれ、誘惑に釣られて出かかった自身の名をグッと堪える。  でも、ヒントぐらいなら……いいわよね。  彼が知っていれば次会った際には名前で呼ばれるだろうし、そうでなかった場合はその時だ。  頭の悪い男に興味はない。 「大丈夫ですよ。私、アレの婚約者なので」  一瞬、ほんの一瞬だけ見開かれる黒色の瞳。
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