7月下旬の日常

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 "きっと君は恋を愛と履き違えたんだね" "夢ならまだ見ていたいよ、でも現実はもういいよ" "もしもこの船がもっと大きかったなら、僕の重力に君は耐えられただろう"  揺れる電車の中で、「夢の船」を聴く。この曲は、"Side City"というインディーズバンドの曲だ。  インディーズバンドの中には、邦ロック好きの間では有名な人達もいるが、彼らは無名だ。ファンである私が言うのもあれだけれど、万人受けはしないと思う。  それでも、「誰かの側で寄り添えるような音楽、居場所を作る」というバンド名の由来はなかなかに推せるし、現に私は彼らの音楽が大好きだ。  明日はライブへ初参加する。チケット代は少し割高だったが気にしない。彼らのためだ。  最寄り駅に着くと、家まで走った。暑さも汗も気にならないくらいに、明日が楽しみで仕方がないのだ。
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