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────ピーンポーン… 「…誰?」 普段は滅多とならない玄関のインターホンの音が、突如、部屋中に響き渡る。 「姫川さーん、……姫川遼さーん」 「……」 ドア越しに除くとそこには細身の長身男が右手を口の横にかざす仕草で立っていた。 チェーンをかけたまま無言でドアを開けると、彼は隙間から覗いて笑った。 「なに」 「元気ー?」 「見れば分かるだろ」 「学校行こうぜ」 「……行かない」 「なんでー?」 「なんでって…」 おまえと居ると余計に目立つから、とは言えなかった。 「いいから帰ってくれない?忙しいんだけど」 「漫画みてゲームしてるだけじゃん」 「うるさい」 そう言ってドアを閉めようとするが、自分よりも一回り大きな、男性らしい骨張った手で抑えられた。 力は断然あちらの方に軍配が上がるため、俺は諦めてドアのチェーンを外した。そうしないと力で壊されるからである。そしてそれはすでに一度経験済みだ。
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