2人が本棚に入れています
本棚に追加
「おっ、今日も俺の勝ちだな!」
嬉しそうに笑う彼は、小学校からの幼馴染である一条明だ。身長183センチの高身長でサッカー部、男女問わず人気でおまけに勉強もスポーツも万能な完璧イケメンである。
対して俺は、姫川とかいう女子かと勘違いされることがあるような名字で、たまに"りょうちゃん"などと言われからかわれるような人間だ。
おまけに身長は日本人男性の平均より4センチ程小さく、筋肉もついてなければ勉強もできない。
明と並んでいるといつも"なんであいつが…?"と言うような視線を浴びてきた。
当然、豆腐メンタルな俺は耐えきれず不登校になりつつあり、高校生になった現在は寮でのひとり暮らしで、なぜか一緒に着いてきた明とお隣さん同士でよろしくやっている。
制服に着替えた俺は靴を履き鞄を持とうとするがヒョイと明に奪われた。
「持つよ」
「……あぁ、ありがと」
こんなところまでイケメンを曝け出してくるのだ、嫌になるのも当然だろ。だが、そう思ってしまう自分に一番嫌気がさしてくるのも事実である。
最初のコメントを投稿しよう!