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壱
一方で南国からさらに南に行ったところにある島国にてララは七星元老院に呼び出されていた。
倭の国土内の争いだけでなく海外諸国からの悪神が愛姫を奪いに本土に向かっていると報告を受けとった元老達が重い腰を上げた。
「腰上げただけじゃねぇかジジィ共」
呼び出されたララが苦言を指す。
腰痛になった腰を上げて四神に命令を下すだけ。
前回呼び出された時は確か闇神が即位したてだったなと思い出す。
海外から来る侵略者を一掃して防衛しろと言われて水神が二万の敵兵の血液を逆流させて呆気なく終わらせた。
「俺ら出る幕ねぇじゃん」
「あぁ、なかったな」
水神に倭の国土の防衛全部任せてもいいんじゃないかと言えば
「汚ぇからもう使わねぇ」
と、自ら技の封印宣言した時には笑った。
「で?今回は俺一人で防衛しろって?」
「お前しかもういないではないか。闇神は呼び出しに応じぬ」
既に戦争に向けて準備をしている最中の北が応じるわけがないだろう。
「例え戦となっても国土内の事は席を退いたわしらがどうこうする事は出来ない。例えそれが身内が殺されたとしてもだ」
過去に己の治めていた国を壊されたとしても役割を果たし、元老院になった彼らは掟により、傍観する事しか出来ない。
ここは歴代四神が隠居するとこしえの場所。
そんな長老となったもの達の役目は海外からの侵略者や上界により下界への影響を及ぼす者達の排除だ。
「悪神達は北がどうにかしてくれるだろ?あっちに愛姫がいるんだ。死ぬ物狂いで守り抜くだろ」
せっかく取り戻した国宝をそう易々と奪われるような馬鹿な真似はしないはず。
「それより聞きたい事あんだけど」
傀儡と呪毒についてだ。
「知ってる奴がいるなら答えろ」
黙秘は認めない。
「····何が聞きたい?」
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