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南の情報は北に伝わってるはずだ。
それなのに妨害もなくまるで導かれるように目的地まで向かえている。
海軍は船と潜水船で海を渡り、風軍は空を飛び、雷軍は神馬に乗り風軍と共に北の磐を目指す。
「あちらさんもどうやら俺らを待ってるみたいだな」
「そうみたいッスね」
ララと詩雲が話す後ろには黒い瘴気を纏った闇堕ちした凱楽がブツブツと言って周りをドン引かせている。
「闇神殺す白雪様助ける闇神殺す白雪様助ける闇神殺す白雪様助ける闇神殺す白雪様助ける·····」
「雅鷹。後ろのBGMの音量下げてもらっていい?」
「頭、それは無理ッス」
怒りと憎しみと愛で神力を強化させている現在の凱楽を止めることは出来ないと真っ向から雅鷹は拒否した。
「雷煉。お前の元上官だろ?息の根止めろ」
「頭、自ら戦力削ろうとするとかどんだけマゾなんスか?」
戦争しに行くのに負け戦だけは勘弁だと雷煉が呆れている。
「雷煉。風美の唇どうだったー?」
「超やわかったッス。後良い匂いした」
「正直でよろしい」
雷煉が風美に口付けたのは既にララの耳に入っている。
「はあぁああぁあ!?どういう事だテメェ!!」
初耳であると焔が怒鳴る。
そういえば焔は風美に想いを寄せていたなとララが思い出す。
最期の最後で雷煉に先越されたと言う事実にブハッと笑う。
「お前、奥手すぎんだよ!」
「いや、だってよぉ!!」
とっとと告白なり唾付けるなりしておけば雷煉も風美に口付けなかったかもしれないのにと言われて「こんな乱世で告白なんて出来るか!!」と、言い返された。
「こんな来世だからしねぇとじゃねぇの?」
いつ命落とすか分からない。
「まぁ、焔が風美に告っても雷煉関係なくチューしてると思う」
詩雲の一言に雷煉が「うん」と、答えた。
「黒肌反逆雷野郎!!」
「うるせぇよヘタレ犬が!!」
今から命をかける北と悪神との戦だと言うのにこの連合軍は緊張感も何もないなと後方にいる東の家臣達は前方にいる南と焔を見ながら呆れていた。
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