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 連合軍が盤へと向かう時、同じく怪鳥から貰った文で翠と綿も向かっていた。 「翠様!」  途中でララから居場所を教えてもらい迎えに来た紫と合流を済ませ、東の御所へ使った傾谷へ行けば 「この子達に乗ってください!」  紫と揚葉の蝶達の上に跨り空へと舞う。 「ララ達が出発してからどのくらい経った!?」 「約 四辰刻(八時間)程です!神馬に乗られているのであと数刻で到着するかと!!」  到着する頃にはララは時間を操作しなければならない。  夜だと闇神の力が発揮される。 「闇夜の戦場は闇神の領域になります」  だから極力夜の戦場を避ける神人が多いと聞く。 「夜に紅毛が仕掛けて来たら終わりじゃん」 「闇神単体ならそうかもしれません」  ただ、闇夜だからこそ敵味方関係なく巻き込んでしまう為、全体的な神力攻撃は闇神自身避けていた。 「使い方によっては暴走と変わらないわけね」 「激昂して暴走なんてされたら溜まったものじゃないです」  敵味方関係なく全て闇に葬り去るだろう。  そうならない為にララの時間操作が必要だった。 「だからか····」  時間をかけて夜を昼に変えると言うのはかなりの神力を使用する必要がある。  ララが極力神力を抑えていたのはこの為だったと言うことだ。 「·····翠様」 「何?」 「この十日間、何があったんですか?」  自覚はなかった。  けれど久しぶりに翠を見た紫は明らかに己の主の神力が上がっている事に気付いている。 「私流の修行の仕方かな?」  死ぬかと思ったのは何度かあった。  十日目で限界が来てぶっ倒れた所為でその修行は終わったが、ララ達が動き出したのなら丁度良かったかもしれない。 「とりあえず少しだけ寝るから着いたら起こして」  そう言って蝶の上で翠は寝だした。 「いや、そこでぇぇぇ!?」  下手したらこのまま落下案件だと紫が叫べば綿が糸を使って蝶と翠を絡めて落下を防止した。  蝶にとってはとてつもなく良い迷惑である。
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