4/10
前へ
/69ページ
次へ
 日が暮れだし少しずつ当たりが暗くなれば侵略者達は焦り出す。  闇が深くなれば深くなるほど自分達が不利になるからだ。  悪魔なら力を発揮する事ができるだろう。  しかしだ。  闇を使う悪神の前ではそれも無力だ。 「引け引けぇええ!!」  闇に紛れると潰される。  だから、数で対抗し短時間で一気に方をつけるつもりだったが、北の軍勢は数の割に強かった事が誤算だった。  陸空海第一部隊から第三部隊の隊長さえ気をつけておけば良いだなんて誰が言った。  第三部隊の中将の若造にさえ手を焼いてしまう程だ。  回復に回る後方部隊を叩かないと奴らは執拗い程攻めてくる。  愛姫欲しさに戦争を仕掛けたのに負け戦だったかもしれないと今更侵略者達は後悔した。 「·····そうだなぁ」  同等の環境じゃないとフェアじゃないと、誰かが言う。  その瞬間、空の色が戻っていく。 「やっぱり綺麗な青空の元で皆戦いたいよなァ····」  己の時間をすすめて一足先に戦場に来たララが崖の上で高みの見物をしていた。 相手の国が白雪狙いなのが気に食わないが、北の戦力を削るなら手を貸してやろうと夜を昼に変えた。 「あのアホ先に行きやがってぇぇぇぇええ!!」 まだ現地に辿り着けない南···特に凱楽がブチ切れていたのは言うまでもなかった。
/69ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6人が本棚に入れています
本棚に追加