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予想よりも早く厄介な奴が来た。
南に集まった群衆達が見当たらないという事は単体で来たのだろう。
『君主』
蕃神を叩くなら今では無いのかと家臣達から念話で連絡が入る。
「お前達では荷が重い」
弱体化しているとは言え四神の中で最も力のあった神人だ。
一番何を考えていたのか分からない人物であり、一番危険視していた人物だ。
「···········」
何も考えていなかったかもしれない。
面白ければ何でもいい精神の蕃神だ。それも有り得るだろう。
「余が行く」
「君主!?」
丁度暇を持て余していたところだと言い、傍にいた家臣の制止を無視して闇神は影を操り単体でララの元まで移動した。
己の大将の首が飛べば負けだと言うのに北に協力している大陸の神人も呆れていた。
*
「よぉ」
崖の上で煙管を燻らせながら戦の見学をしているララが振り返りもせずに後ろにいる闇神に軽く挨拶をする。
「珍しく武装しているではないか」
「まぁ、今回お前相手だし?礼儀みたいなもんだよ」
武装と言っても上半身は軽装で下半身だけ西洋の鎧を着用している感じだ。
それを武装と言っていいものだろうか。
「そう言うお前はいつもより軽装じゃね?」
甲冑も何もつけていない軽そうな着物を着ている闇神の格好は戦う気がないのかと思う程だ。
「貴様相手に武装しても意味ないだろ?」
甲冑事叩き斬る蕃神に武装したところで動きが鈍くなるだけだ。
それに甲冑を着るよりも己の神力で作る影の方がまだ役に立つ。
「ははっ。まぁ、間違いねぇな」
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