7/10
前へ
/69ページ
次へ
「えげつねぇ事すんなぁ」  ララとて例外ではなく、影に攻撃をされたはずなのだが、全て打ち払い、それを利用し、滑り台の様に影の上を滑りながら無傷で下に降りた。 「慈悲は無いのか?慈悲は」 「無い」  敵兵にそんな心持ち合わせたら戦なんてしていないだろう。  持っていたら呪毒なんて飲ませていないし、東と西を焼いたりしていないし、拷問だってしていない。 「····白雪に何もしていないだろうなァ?」 「·············」  白雪とは誰か?  元より北に白雪という名の神人は居ない。 「俺の娘だ」  白くてちょっと生意気だけど仲間想いで好きな奴に対して一途で可愛い自分の娘。 「南の蕃神様にその様なお子が居たとは知らなかった」  自分が知っている白い娘は二度と一人で歩く事が出来ない両足と舌を無くした盲目の我が娘。 「·············」 「南について知っている事を聞いても答えぬどころかとんでもない事を口走りおったからな」 ---北を跡形もなく消滅させて歴史をここで終わらせてやる  そう娘が言うものだから国家の反逆の罰として欠陥品にしたと闇神が答えた。
/69ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6人が本棚に入れています
本棚に追加