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最期の場所へ向かう時、目の前に現れたのは風雷兄弟だった。
「挨拶をしに来てくれたの?」
「頭が最後までろくな事言わなかった詫び」
笑いながら言う詩雲に「それがララ」だと、笑い返す。
「····北の第三部隊中将飛雷に何か伝えて欲しい事ある?」
笑っていた顔から一変。
飛雷の名が何故出たのか。
「彼奴、風美の事気にしてたから····」
「····中将と付き合ってんですか?」
「殴っていい?」
最期まで冗談を言い合える関係になったのは風美が南の仲間だと言う事だ。
「そうだねぇ····ありがとうとごめんなさいってだけ伝えて欲しい」
あの時から今まで護ってくれてありがとう。
突然部隊から離れてしまってごめんなさい。
「それだけ言えばあの人の事だからきっと分かる」
風美の口ぶりから二人が随分と仲のいい関係だったのではないかと詩雲は推測する。
「元恋人だったり?」
「そういう関係ではなかったですけど····似たような振りをしてくれた事はありますね」
中将のお手付きなら手を出せないからと護ってくれた事はあった。
本当に二人に何も無かったのかと聞けば風美は「無い」と、答える。
「一緒に飲んだ時の記憶朧気だけど目が覚めたら二人共同じ寝台で寝てたけどそんな事はなかったですよ」
「いや、それ絶対ナニかあったよね!?」
完全に黒じゃないかと言えば
「裸の男女が同じ布団でくるまってただけですよ?」
「アウトー!!それ、完全にアウトだから!!絶対特別な関係なってるって!!」
風美がそうでなくても飛雷は責任感じ取っているはずだ。
じゃなければド屑と罵ってやる。
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