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怨念だけで石棒がここまで強くなるのだろうか。
「散々ぶん殴って投げまくったけど血に染るだけで壊れなかったかな」
それも凄い話である。
石棒を振り回し欠片に攻撃をする。
鬼に金棒ならぬ翠に石棒。
欠片に向かってガンガンと攻めていく。
しかし、身体能力で欠片としても鬼神に勝てるはずもないだろう。
ただ、神力を使わず肉弾戦だけで修行する事で得られるものがある。
翠はがむしゃらに石棒を使い欠片に向かっていった。
*
《喧嘩しようぜ》
戦争中の北に南から文が届いた。
闇神は現在損傷の激しい御所ではなく、北と南の境にある南部の邸宅にいる。
何が喧嘩だ。
冒頭に書く文では無いだろう。
《戦利品は娘と····おまけとしてお前の命》
北の君主の命をオマケ扱いとは冒涜にも程がある。
それが南の蕃神だ。
男なのか女なのか分からない。
自由奔放で気まぐれで世を楽しんでいる背景の裏で行われた黒歴史を見つけるのは思いの外簡単だった。
それが倭の国土最強なんて謳われるのだからとんだ笑いものだ。
蕃神の逆鱗。
どうやって使おうかと考える。
「君主」
愛姫を何故牢に入れずにいるのだと側近の一人が聞く。
「··············」
ゾッとする紫紺の瞳が質問をした側近を見る。
「止めぬか!」
君主を刺激するなと他の側近達が咎め闇神に深く謝罪する。
尋問を終えた愛姫には神力封じの枷を嵌めている。
それに何よりあの身体ではもう逃げるなんて出来ないだろう。
錦の擬態がここの中で呟く。
「いっそ傀儡にでもすればいいのに」と·····。
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