神に導かれ

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 走りながらわたしは、またあの草むらをかき分けないといけないのか・・・と、少しテンションが下がる。さっき虫がいたから通りたくないんだよね。  草むらの前にたどり着くが、他に道がないかなと周りを見渡すと、小さな鳥居があることに気がついた。そこには神社に続く道がある。 「・・・何だ。ちゃんとした道あるじゃん」  鳥居の前で一礼したわたしはその小道を歩き、みんながいる場所にたどり着いた。 「お待たせしましたー!」 「お疲れ様です。では、事務所へ入りましょうか」  有原くんを見ると、彼は険しい顔をしながらも、ミヤさんの後をついて行った。  事務所の中は畳の部屋で、小さな机とタンス、あとは座布団が敷かれているだけだった。その座布団に座るように言われ、有原くんと並んで座ると、しばらくしてお茶とようかんが机の上に置かれた。 「どうぞ。このようかんは美味しいですよ」  と、ミヤさんは、わたし達が食べる前にようかんに手をつけた。それを見て、わたし達もようかんを食べる。 「んー!美味しいー!」  有原くんも隣で黙々とようかんを食べていた。そんなわたし達を見てミヤさんが微笑む。 「気に入っていただけたようで何よりです。では、ここからはお二人を呼んだ理由についてお話しします」  ミヤさんは、お茶を一口飲むと、わたし達の目を交互に見た。 「と言っても、あまり難しい内容ではありません。お二人は、他人の縁を結ぶ力があります。そのためお二人をここに呼びました。そしてその力がある方のみ、僕の主である神の声が聞こえるのです」  確かに、難しい内容ではない。でも、わたしも有原くんも首を傾げてしまった。
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