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【朝顔と暁】覚悟と本気
お互い、もうそれなりの歳月を重ねた男女なのだ。言葉が欲しいと言うのならいくらでもくれてやるが、人の顔色を窺いながら舌先三寸で生きてきた自分の事を信じてくれるのか、槿は不安だった。
「こうするのがいいと思ったんです」
もう一歩が必要だったのは、お互い様だったみたいだ。差し出された指輪を嵌め、彼女の指にもつける。この上なく大事にしたくて、傍に居て欲しいから。
「……俺と同じ気持ちだって、捉えていいんだな」
「そうしてもらえないと困ります」
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