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そのまま一緒にカフェテリアでお昼ご飯を一緒に食べることになった。野球部の先輩が私に、剣道部の先輩が亜樹に半ば強引にランチをご馳走してくれた。
「じゃあ亜樹。今日は講義無いからこのまま道場行こうか」
「私入部届とか持ってないんですけど」
「道場にあるから大丈夫。今日入部したらアイス奢ってやるよ?」
「行きます」
間髪入れずに真顔で答える亜樹が面白い。くすくす笑っていたら「百永ちゃんも野球部行こうよ」と野球部の先輩──確か、佐藤先輩、だったかな──に有無を言わさない笑顔で告げられた。
「私、まだ考え中で」
「実際行ってみないとイメージ出来ないじゃん?他の一年も来てるから。ちょっとでいいから。ねっ!」
懇願するように言われたら、断りずらい。
「あの、マネージャーの方も今日、いらっしゃるんですか?」
「いるいる!俺が紹介するから。ねっ!」
「行ってみなよ、百永」
柔らかく笑う亜樹に言われたら。何となく、いけそうな気がしてきた。
グラウンドにはユニフォーム姿の人と、Tシャツにジャージ姿の男子学生が練習をしていた。
「佐藤、遅いぞ!」
「悪ぃな。マネージャーやってくれそうな一年連れてきたから」
むすっとしていたその先輩は、私が佐藤先輩の隣にいることに気づくと目を見開いた。
「えっ……!お、おい、お前ら。全員集合!」
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