0人が本棚に入れています
本棚に追加
*
僕は真っ白な部屋で目を覚ました。宇宙センターに併設された病院の、特別個室。
呼吸器を取り付けられ、身体中から何本もの管が伸びている。
全身の鈍い痛みが、僕がまた生き残ってしまったことを教えていた。
医師は奇跡だと言ったが、そんな奇跡など起こってほしくなかった。僕はただ、カラコリチカの元に届く切符を手放してしまっただけだ。
事故からもうすぐ一年になる。彼女が死んだあの日から――
*
最初のコメントを投稿しよう!