2/4
313人が本棚に入れています
本棚に追加
/31ページ
「んぅ……ふぅ……」  口いっぱいに雄の香りが広がる。青臭さとしょっぱさが混じる独特の風味に頭がクラクラする。この雄に屈服されたい。雄を感じさせる匂いに碧の一族としての本能が目を覚ます。黒鉄の子を孕みたいと下腹部が疼いている。 「男根を頬張りながら、濡らしているとは……よほど俺のが気に入ったか?」  気づくと幼茎は再び立ち上がりを見せていた。だが羞恥を感じる余裕もなく、頭の中が黒鉄の濃い匂いに塗りつぶされる。眞白は先端を咥え込むのを止めると、今度は幹を舌で舐め上げた。そして熱く反り勃つ棍棒に頬擦りをする。 「この雄々しさ……ご立派過ぎて、黒鉄様のことをもっと好きになってしまいます」 「……お前はどこまで俺を夢中にさせたら気が済むのだ」  頬を指でなぞられて恍惚の笑みを浮かべる。もっと黒鉄に気持ちよくなってもらいたい。再び先端を咥え込むと思い切り吸ってみせた。 「くっ……眞白、それ以上は……」  黒鉄の顔がくしゃりと歪む。追い立てるように棍棒の先端を舌を尖らせ責め立てる。 「出る……離してくれ」  限界が来たのか黒鉄が低く呻く。口の中で熱が大きくなったかと思ったら弾けた。先走りとは比べものにならないくらいに濃い雄の味が口いっぱいに広がる。それを一滴も逃すまいと眞白は吸い付きながら音を立てて飲み込んだ。 「すまない、お前が熱心にしてくれるから我慢が効かなかった」  黒鉄が眞白の唇を拭ってくれた。口の中で黒鉄の味がいつまでも残っている。その青臭さは眞白の更なる欲を掻き立てた。 「黒鉄様……」  自ら足を開く。黒鉄を口で愛していた時からなんとなく感じていたが、後孔は黒鉄を受け入れたいと愛液を滴らせていた。まだ誰も触れたことのない蕾。この純潔を散らして欲しいと蠢く。 「こんなに綺麗な色をしているのか……触れるのすら惜しくなるな」 「そんなこと言わずに、どうか眞白に触れて下さい。熱くて、堪らないの……」 「随分と可愛くねだるのだな。そう言われたら隅々まで暴きたくなってしまう」  黒鉄の指が後ろの窄みに触れた。愛液を潤滑油にして指で縁をなぞる。たまにクニクニと押し込まれ、その度に幼茎がピクリと反応した。 「これが碧の一族の発情……どんどん色香が濃くなっている。このままでは本当にお前を食ってしまいそうだ」  黒鉄の目がどんどん欲に蕩けていく。金色の瞳に映る自分の顔があまりにもいやらしくて思わず目を背けた。黒鉄から漂ってくる強烈な甘い匂いが眞白の脳みそを直接掻き立て、全身に熱をもたらし肌を鋭敏にする。どこを触られても気持ちいい。腹の奥がグズグズに疼いている。この熱を黒鉄に暴かれたい。 「黒鉄様、どうしようもなく熱くて……」  眞白は自ら尻を広げて後孔を露わにした。露が垂れ、割れ目を伝い布団に垂れる。 「俺が欲しいとひくついている。俺が責任持たなければいけないな」  黒鉄は眞白の愛液を指先に絡めるとゆっくりと指を挿れた。指の異物感に最初の方こそ後孔が拒むように締まったが、黒鉄が丹念に肉の輪を押し広げていく。頑なな蕾も黒鉄の指から優しさを感じ取ったのか緩やかに綻んだ。クチュクチュと粘質な水音が響く。 「あぁ……はぅっ、うぅ……」  何度も浅い場所を抜き差しされているうちに異物感は消え去り、代わりに指が肉壁を擦る度に甘く蕩けてしまいそうな快感が波紋のように広がった。 「うぅ、あっ、なんかっ、へん……!」 「痛むのか?」 「痛く、ないっ……けど、お腹が、切ない……」  もっと奥へ来て欲しいと肉壁が指にしゃぶりつく。黒鉄の指がそれを優しく開いていく。少しずつ侵食するように指が深く入り込んでくる。ゆっくりと抽送を繰り返していた指先がある一点を掠めた。その瞬間、電撃が走ったかのように鋭い快感が背筋を走った。 「うぁっ‼︎」  後孔がキュゥっと指に吸い付いた。未知の快感に四肢がピクリと震える、そんな眞白の反応を見て、黒鉄はさらに同じ箇所を指の腹で擦った。 「あんっ、あ……そこ、すごい、気持ち良すぎて怖いっ」 「きっとここがお前のいいところなんだろう。お前の可愛らしいのが先から蜜を零して喜んでいるぞ」 「ん……本当に、変になってしまいます……」 「俺が全て受け止めるから委ねればいい。お前の乱れた姿が見たい」  執拗に擦り上げては押し込んだり、トントンと叩くように刺激をする。その度に快楽はうねり、眞白の身体の中で暴れ回る。下腹部に熱が蓄積し、今にも幼茎から溢れ出てしまいそうだ。 「あっあっ、はぁっ……もう、これ以上は……」  本当におかしくなってしまう。止めて欲しいと思う一方でもっと欲しいと思ってしまう自分がいる。もっと奥までめちゃくちゃにされたい。 「なら、これならどうだ?」  指が引き抜かれる。先ほどまで黒鉄の指で満たされていたのが喪失感が襲ってきた。黒鉄によってすっかり開ききった後孔は切なさを堪えきれずに涎のように蜜を垂らす。 「後ろを向いてくれ」  言われるがままにうつ伏せになる。そして腰を掴まれて持ち上げられた。尻を突き出して黒鉄に向けるような体制を取らされる。黒鉄の意図が読めずにいると今度は熱くぬめった何が後孔をなぞった。先ほど幼茎を愛した舌が、今度は後孔を舐め回している。 「ひっ、黒鉄様、そんなところを舐めては……!」  眞白の静止をものともせず、黒鉄はぴちゃぴちゃと音を立てながら眞白を味わった。しばらく縁をなぞるように舐めていたのがニュルリと舌を挿入され、指とまた違った舌のざらつきにどんどんと追い詰められる。入口がふやけてしまうのではないかというくらいに舐め回された。 「あぅっ、んっ……あっ」  もう限界だった。腹の奥が指や舌では物足りないと騒ぎ立てた。本能が黒鉄を受け入れたがっている。眞白は臀部を振りながら泣きそうな声でねだった。 「黒鉄様、もっと、もっと奥まで眞白を愛して下さい……腹の奥が黒鉄様を求めて仕方がないのです」  それを聞いた黒鉄は後孔への口淫をやめた。再び眞白を仰向けにすると口を拭い、眞白の脚を開いた。そして自身の棍棒を眞白の腹の上に置く。 「俺の魔羅を飲み込むにはもっと時間をかけて解した方がいいかと思ったが……お前も我慢が効かないだろうし、俺も限界だ」  息を荒げながら眞白を見下ろす。はだけた着物から覗く逞しい身体に包まれて一つになりたいと心から願った。 「眞白、お前を全て貰うぞ」  眞白は頷くだけで精一杯だった。黒鉄の先端が眞白の後孔にぴったりとくっついた。そしてゆっくりと黒鉄が腰を進める。熱い塊が眞白の後孔を割り入り肉壁をこじ開けた。指や舌とは比べものにならない質量に眞白は息を詰まらせる。 「あぁっ‼︎」 「息を吸って、吐くんだ。ゆっくりでいい。力を抜いてくれ」  言われた通りに深呼吸を繰り返す。最初は後孔が裂けてしまうのではないかというほどの痛みだったが、何度も深呼吸を繰り返しているうちに少しずつ黒鉄の棍棒を受け入れていく。黒鉄は眞白の様子を見ながら、少しずつ腰を進めていった。腹の中が黒鉄で満ちる。 「く、黒鉄さま……」 「あと少しだ。あと少しで全て収まる」  指では届かなかった奥を黒鉄がこじ開けた。もうこれ以上入らないのではないかと思うくらいに最奥を圧迫したところで黒鉄が微笑む。 「全て、入ったぞ」  黒鉄の額に滲んでいた玉粒のような汗がポタリと眞白の頬に垂れた。黒鉄も眞白の身体を気遣って必死に耐えながら挿入していたのだろう。一気に愛しさが込み上げる。黒鉄でいっぱいになったのを確かめるように腹を撫でた。
/31ページ

最初のコメントを投稿しよう!