17人が本棚に入れています
本棚に追加
あんまりスムーズに事が進んだんで、正直、半信半疑だった。
でもまあ、こっちから断る理由もないわけで。
受かるかはわからないけど、どうせ落ちたところで、手配してくれた堀田さんの顔は立てたことになるだろう。
エレベーターの中は、別に絢爛豪華な装飾がついてたりすることはなく、いたってシンプルな造りだった。
(ただまあ、床の絨毯は、若干厚めの気もする)
そのまま、スイーッと滑らかに昇っていく。さすが直通。
外側の面はガラス張りになっていて、夕暮の街並みがよく見えた。
まだ暗くなりきらない青灰色の空気のなか、街灯のぼんやりとした光が規則正しく並んでいるのが、上から見るとよくわかる。
(でも、こういう外から丸見えなの、どうなんだろう)
セキュリティとかプライバシーとか。今どきドローンなんかもあるし。
受付からの一連の、手間のかかった流れを考えと、ちょっとノリが違う気もする。
(あ、もしかしてマジックミラー式なのかな)
なんてくだらないことを考えているうちに、最上階に着いた。
最初のコメントを投稿しよう!