30. 螺旋邸ふたたび 3

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「そうね」  雲雀さんは重々しく頷いた。 「あれから新しい人も雇ってないから、不便でしかたないのよね」 「それは素直にすみません」  あたしは頭を下げる。 「兄さんも自分の人を見る目に自信がなくなっちゃったみたいだし、あたしも、また新しい人を迎え入れて気を遣うのもなんだか億劫で。志麻さんが色々手伝ってはくれるけど、負担が増えてるわけだから、そろそろ考えなきゃいけないんだけどね……」 (ああ、トラウマみたいになっちゃったのか) 「私のせいですね。本当に申し訳なかったです」 「……ただねえ」  雲雀さんは、小首をかしげる。 「あなた、本当にうちのこと、スクープにするつもりだったの」  たしかに、疑問に思われてもしかたない。  実際、今でもあんまりそれに関してはやる気が起きない。 「どうして、そう思うんですか」 「だって、別に根掘り葉掘り訊かれたりしなかったし、この家のことを調べてる感じ、なかったから……」 「この家のことって、これのことですか」  あたしは思い出して、例のポラロイドをバッグから出した。
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