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……ん?
「妹……さん……」
「ええ。採用が決まれば、あなたには、妹の相手と世話をお願いすることになります」
あ、そうか、娘さんじゃなくて、妹なんだ。
そりゃ若いはずだ。
(っていうか、親が雇うわけじゃないんだ?)
「妹はかなり厄介な性格をしています。でももし揉めたりしたら、たとえどんなに理不尽でも、私は全面的に彼女の味方をしますので。そのときは諦めてください。違約金はちゃんとお支払いします」
(おっ、もしかしてシスコン?)
しかもなんか、揉めるの前提って感じもしなくない。
後腐れが残らないように、お金はちゃんと払います、って言ってるような……?
(考え過ぎかなあ)
「それでは、結果は一週間以内には連絡します。決まったら、支度金もお支払いしますので。ああ、あと受付に寄って帰ってください。今日の交通費をお支払いするよう、言ってありますので」
へえ。
かなりお金に余裕あるんだなあ。至れり尽くせり、って感じ。
(決まるといいけど)
さっきまでの不信感はどこへやら、そんな能天気なことを思った矢先だった。
牧園さんが、とんでもないことを言った。
「ああ、それと、念のため事前に言っておきます。我が家で数年前、死人が出たことはご存知ですよね?」
(……は?)
(…………は?)
(堀田さぁぁぁぁぁぁん!?)
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