16人が本棚に入れています
本棚に追加
/189ページ
その後に続く話も、ひどいものだった。
雲雀さんたちのお母さん、文目さんは、この家を手切れ金代わりにもらい、身を引くことにした。
けれど、母子で暮らすこの家に、何度も何度も強盗が入るようになった。
あまりにも不自然だったけど、どうも、芙蓉さんとその実家が手を引いていたらしい。
それを心配に思った二人のお父さん、福繁定治さんは、強盗を撃退できるような家へと、強引に建て直すことにしてしまったのだという。
ただ、その頃から、定治さんもすこしおかしくなってたらしい。
からくり建築で有名な職人さんを探し出して、あちこちに過剰に仕掛けを設置させてしまった。
出来上がったら最後には設計図も目の前で燃やさせるほど、徹底して秘密にしたそうだ。
構造を知っているのは文目さんだけで、後に爽希さんに一子相伝的に受け継がれ、実は雲雀さんも詳しくは知らないのだという。
螺旋階段については、ポラロイドに写っていなかったせいか、なにも言わなかった。
それであたしはまず、確証があるものについて、訊いてみることにする。
最初のコメントを投稿しよう!