31. 螺旋邸ふたたび 4

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 その後に続く話も、ひどいものだった。  雲雀さんたちのお母さん、文目(あやめ)さんは、この家を手切れ金代わりにもらい、身を引くことにした。  けれど、母子で暮らすこの家に、何度も何度も強盗が入るようになった。  あまりにも不自然だったけど、どうも、芙蓉さんとその実家が手を引いていたらしい。  それを心配に思った二人のお父さん、福繁定治(じょうじ)さんは、強盗を撃退できるような家へと、強引に建て直すことにしてしまったのだという。  ただ、その頃から、定治さんもすこしおかしくなってたらしい。  からくり建築で有名な職人さんを探し出して、あちこちに過剰に仕掛けを設置させてしまった。  出来上がったら最後には設計図も目の前で燃やさせるほど、徹底して秘密にしたそうだ。  構造を知っているのは文目さんだけで、後に爽希さんに一子相伝的に受け継がれ、実は雲雀さんも詳しくは知らないのだという。  螺旋階段については、ポラロイドに写っていなかったせいか、なにも言わなかった。  それであたしはまず、確証があるものについて、訊いてみることにする。
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