33. リプレイ

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「あっ」  雲雀さんが叫び、一瞬で、その顔は恐怖に歪んだ。  その視線の先に目をやろうと、あたしは上に向き直った。 「えっ」  一瞬、目の前の光景が、理解できない。  爽希さんが、段の上に寝そべるような姿勢になっていた。  その首には相変わらず両手がかかったままだったけど、芙蓉さんの身体じたいは、宙にぶら下がっている。 (ぶら下がっている!?)  あたしは頭のなかで目の前の情景を、思わず復唱してしまった。  それぐらい、予想していなかったことが起きていたからだ。  よく見ると、手すりの一部分が、なくなっている。  そもそも手すりじたい、前に昇ったときに、やけに低いな、と思ったのは覚えている。  だから、人が落ちることもあるかもしれない、とそう思った。  おそらく、大基さんとやらも、それで落ちたにだろうと。  でも、今、目の前で起こっていることは、それと違う。  明らかに、  意図的に、  人を、落とそうとしている。  そのためのからくりが、やっぱり存在してたんだ。 (爽希さんはそれを作動させた!?)
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