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車椅子での不便な生活を強いられてる、まだまだいたいけな年齢の少女が、自分の身を投げうってでも落下してくる人間を助けようとしているのだ。
(あたしだって、負けてられるか)
相変わらず身体はずるずると引きずられていたんだけど、あたしはまるで潰れたカエルのように足を曲げ、さっきまで突っ張っていた支柱に、今度は足を絡ませた。
骨が金属に当たり、すごく痛い。
変な姿勢なんだし、このままだと折れてしまうかもしれない。
「痛い、痛い、痛い……!」
気がつくと、みっともなく叫んでた。
でも、だからなんだってんだ、とも思った。
(一気に落ちるよりは、絶対マシ! 骨折で命が助かるなら、マシ!)
そう自分に言い聞かせ、痛みをこらえていた。
でもすぐに、後ろから抱き留められた。
爽希さんだ。
さっき首を絞められていた影響か、真っ赤な顔に荒れた息。それでも必死にあたしの身体を抱き留めてくれていた。
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