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「そ、そんなの、そんなの、あんたの勝手な屁理屈でしょ! 実際に手を下したのは、あんたよ!」
芙蓉さんは叫んだ。
「たしかにそうです。でも、手を下させるように持っていったのは、まごうことなき、あなたです」
爽希さんがきっぱりと言う。
(考えてみれば、あたしと堀田さんも、そうか……)
芙蓉さんは直接、手は下さない。
代わりに、搦め手を使うんだ。
知り合いらしい堀田さんを焚きつけて、あたしを潜入ルポさせるようにして。
あたしはたまたまそれに乗り切れなかったけど、もしもふたりの意図通りにしていたら。
今頃はこの家のプライベートを切り売りして、ボロボロにしていたかもしれない。
そう思うと、ぞっとした。
自分で手を下さなずに、人を陥れることを、なんとも思わず実行できる人がいることに。
あたしがそれに加担しかけていたことに。
(殺す人、殺させる人、どっちがより怖いんだろう……)
あたしには答が見つからない。
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