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しかしまあ、玄関から出てきちんと見てみると、つくづく立派な家だ。
とにかくあちこちに大きなガラスが使われているデザインで、家というより、まるでなにかのショールームみたい。
全体的には長方形をしていて、短い方の辺にあたる部分が、正面の門に面している。
門を出ると両側に植え込みのある、十段の短い石段が斜めにあり、道路に降りられるようになっている。そこにももうひとつ門があり、インターホンはそこについていた。
正面玄関はこちらだけど、雲雀さんは使わないんだそうだ。
さっき見たエレベーターがガレージまで通じているので、外出のときはそっちから出るという。
ひと通りの説明が済むと、あらためて部屋の中へと戻る。
部屋、といっても、基本的には全部が繋がっている。一応衝立や家具の配置でなんとなくの区切りはあるけど、すべてどければ、ちょっとしたパーティ会場にでもなりそうな、のっぺりとした空間になる。
収納はすべて壁のなかに取りつけられているので邪魔にならないから、視界がすごくすっきりしてる。
あとは、ちょっとした飾りを置いてある小さな棚がいくつか置いてあるだけだ。
こういうインテリアだと、ただでさえ床面積のある部屋が、さらに広く見える。
右隅に簡易なキッチンと、左隅にはバーカウンター。あとは部屋の半分の左側にはダイニングセット、右側にソファセットがあって、終わり。
(ここはソファセットなんだな)
あたしはあのオフィスの居心地の悪かったベンチを思い出しながら、つい比べてしまった。
こちらは長居しても快適そうだ。
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