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(さて、どうしたものかなあ)
あたしの経験上、こういう態度の人にこちらから働きかけても、ろくな反応は返ってこない。
困っていると、土谷さんが助け船を出してくれた。
「せっかく降りてきたのなら、お茶淹れましょうか。ああそう、出そうと思ってたお菓子、キッチンに置いたままだった。一緒に取りに戻ってくれる?」
「はい!」
あたしは思わず元気いっぱいに返事してしまった。
睨む視線がさらに強くなったような気もするが、気づかないフリをして、さっさと背を向ける。
本邸を出て通路を早足で戻り、キッチンに入ると、ようやく土谷さんが口を開いた。
「ご機嫌ななめだったけど、ここのところずっと、あの調子なのよね。悪い子じゃないんだけど」
わざわざフォローするということは、実際、そうなのかもしれない。
あの態度を見たら、とてもそうは思えないけど。
「先月まで雇われてたのが、家庭教師も兼ねてた人なんだけどね。なんとか高校に復学させようと必死でプレッシャー与え過ぎたのか、雲雀ちゃんがヒステリー起こして部屋から出て来なくなっちゃったのよ。だから、あなたのことも警戒してるんだと思う」
「そうだったんですか……」
「雲雀ちゃんは優秀だから、高卒認定をもう取ってるのよ。だから無理してまで通いたくはないみたい」
(そこを無理強いしたってわけか。まあ、通ったほうが良い、って考えの人はいるだろうしなあ)
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